夏のサマー2016

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もしも人工知能がアイコラを作ったとしたら・・・

 ビデオはアダルトビデオが牽引力となって普及したっていう説がある。ビデオデッキとAVのセット販売を行ったところ、これがものすごく売れたっいう話だ。
 この話の真偽はわからないけれど、なくはないかな、と思う。

 インターネットだって最初は「無料でエロ画像が見れる」って話題だった。通信費がかかるので本当は無料じゃないんですけどね。

 そういうわけで、「新技術の普及にはエロが必要」って言われたりする。SR(代替技術)の開発・普及をしている理研の藤井直敬さんが、TENGAと組んだりしているのはそれを踏まえてのことだろう。

 今話題の「人工知能」もエロと紐づけると一般に浸透するかもしれない。
 例えば、アイコラを作る人工知能Google人工知能が作った絵は、ちょっとした悪夢でしたよね。
「うーん、やっぱりまだ人工知能に創作活動は難しいんだろうな」
 そう思った人は多いと思う。でも、アイコラだったらどうだろう? 顔認識なら簡単なので、不可能ではない。

 Aというアイドルの顔だけ認識して、Bというエロ画像の顔にはめ込めればいい。肌の色が違和感ないように加工もする。
 ネット上にある無数のアイドル画像、エロ画像からどの組み合わせがエロく感じるのかをディープラーニングさせ、自然物には作れない究極のエロを、人工的に作っていくのだ。

 そのうち、優れた知性を獲得したアイコラ人工知能が、自身のアイコラ理論を語り出すだろう。
 曰く、異化効果が大事なんだとか、短歌で言う二物衝撃だとか、手術台の上のこうもり傘とミシンの偶然の出会いなんだとか、ポストモダン社会においてはコピーの氾濫こそが新しい価値を生むんだとか。

 そうした文章を集めた『今日のアイコラ』という美術評論の本も出す。岩波新書から。

 そうなると美術手帖やブルータスで「特集・アイコラ」が組まれるようになり、敏感な若者がこぞってアイコラをするようになる。だけど、その時にはもう遅くて、どんなに頑張っても人工知能が作るアイコラよりもエロいアイコラを作ることはできない。

 その事実に人類は打ちのめされ、とうとう知性という面で私たちは王座を明け渡してしまったんだと自覚する。

 地球大統領が泣いている。その事実を、すべての国民に打ち明けなくてはいけないから。私たち人類は、人類以上のものを生み出してしまい、生命は次なるステージに進んでいくんだ、と。

 人類滅亡後の地球を、アイコラが支配していくんだ、と。世界中をアイコラが覆って、そうして平和に統治されていくんだ、と。

 地球大統領が泣きながら、そう演説している。泣きながら。アイコラを見ながら。