夏のサマー2016

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トイレで洗った手を、あなたは何で拭いていますか

 駅のトイレとかに付いている風がゴォーっと出て手を乾かせる装置は、ジェットタオルと言うらしい。ジェットのタオルねえ。なるほど。

 壁に付けられた箱状の容器から、紙を引っ張りだす形式のものもある。この紙はゴワゴワしていて、顔を拭いたら引っ掻いてしまいそうだ。

 同じような形状で、タオルが出てくるものもある。布のね。これは引っ張ると内部でくるくる回るようになっていて、洗えば何度でも使えるようになっている。このタオルが少しでも汚れていたりすると、設置されてからずっと洗っていないかのような気になって、気分が暗くなる(もちろん一度も洗っていなかったら真っ黒になっているはずなので、思い込みでしかない)。

 さて、問題はトイレにそれらが設置されていなかったときだ。
 僕はそういうとき、手を何度もスナップさせて、水を切ってから外に出ていく。でも、それですべての水が払えるわけじゃないので、当然ある程度は湿っている。うしろにいる人のプレッシャーを感じて、ぜんぜん払えないときもある。そうなるとビショビショでトイレを出る。

 そして僕は静かに時が立つのを待ち──ゆっくりと、だけど確かに──自然乾燥していくのを期待する。

 さて、これが自然乾燥派の流儀なのだけど、世の中にはいろんな人がいるものです。

 例えば、ハンカチを持ち歩く人だっているだろう。これは女性に多い気がする。
 彼らにとってトイレにタオルがなかろうがどうが、まったく関係ない。環境に左右されず、いつでも好きなだけ手を拭くことができる。シベリアの永久凍土でも、重力のない宇宙空間でも手を拭ける。汗だって拭ける。

 こいつは便利ですね。

 他にもジーンズ派がいる。お行儀の良い人には信じられないかもしれないが、ジーンズで手を拭く人間がいるのだ。
 だいたい後ろポケットの下辺りで拭く。彼らはドアに向かって進みながら、「手を振って歩いていたら、たまたま触れたんですよ」というような感じでさりげなく手を拭く。
 確かにジーンズの一部分が多少濡れたところで問題ないし、そのうち乾くだろう。夜になって洗濯機に入れれば、すべて洗い流せる。

 一番驚いたのは「髪で拭く」って人だ。
 長い髪の女性は、髪をかきあげるふりをして、手を拭いているらしい。この女性は髪がツヤツヤ輝いていて綺麗だな、って思ったら髪で手を拭いている可能性があるかもしれないってわけだ。まぁ、「髪で手を拭いた直後なんですか」なんて聞かないから知りようがないし、問題はないのだけれど。

 僕はどれにも馴染めずにいる。
 ポケットにハンカチを入れるのは億劫だし、ジーンズで拭くのは抵抗がある。髪で拭くほど長くない。そのうち無くなるだろうし(時の流れって残酷ですね)。

 そこで提案。「すぐ乾く水」を作れないだろうか?
 その水はわずか1秒で乾く。蛇口をひねって手を水につけて、離したらもう乾いている。それだったら、誰も困らないじゃないですか。
 Googleあたりが開発しないかな、と思う。Google水。作ってくださいよ、Googleさん。

 そのうちGoogle水が世界中を支配して、蛇口をひねったらアドセンス広告が流れてくるかもしれない。クリックしたら飲めますよ、ってね。

(おわり)

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