夏のサマー2016

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ネットも映画も音楽もなんでも「定額料金」の時代になってしまった

 今じゃインターネットはいくらやっても値段が変わらないけれど、昔は違った。使ったら使った分だけお金をかかって、数十万円単位で請求されている人だっていた。
 そんな時、庶民の心強い味方だったのが「テレホーダイ」だ。これは夜の23時〜朝の8時までならいくら使っても料金が変わらないっていうサービスだった。
 みんなそれを狙って23時に接続するから、その時間になるとインターネットがすごく重くなった。僕も23時が来るのをパソコンの前で待っていた1人だ。朝方にやるときは8時を過ぎてしまわないか、ドキドキしたものだった。

 当時はとても革命的なサービスだったのだけれど、そのうち定額料金は当たり前になってしまった。ケータイのパケットも使い放題になった。

 こんな豪快なサービスは、まぁ、ネット料金ぐらいだろうなと思っていた。
 しかし、ここ数年は通信以外でも定額なものも増えてきた。主にコンテンツで。

 有料記事を月額制で配信しているメディアもあるし、映画も音楽も、月2000円とか払えばいくらでも楽しめるようなサービスがある。
 最近、電子書籍でもこれが出始めていて、つい頭の中で「月に○冊読めばお釣りが返ってくるな」と計算をしてしまった。

 それどころかうどん屋もこれを取り入れて、月額いくらでうどん食べ放題なんてのをやっていたりする。そんな店が近くにあったら、僕は毎日通える自信がある。店員が「またこいつか」と睨んできても平気だ。それぐらいのことだったら耐えられるよう常に精神力を鍛えてきたから。

 定額課金なんてのも出るかもしれないですね。月に2000円くらい払ったら、いくらでも課金ができる。好きなだけガチャが回せる。本末転倒どころの話じゃないですが、今までの流れを見ていると決して可能性はゼロじゃないです。

 未来はたぶんもっとすごいことになっているだろう。
 例えば、デジタルカメラが定額料金になるかもしれない。月○円払えばいくらでもシャッターを押していいですよ、っていう。
 カメラを買っただけじゃシャッターを押せる回数に制限ができるのだ。あるいは、ファインダーを覗いたらCMが流れだすかもしれない。
 月額会員になれば、そんなことに煩わされずに、好きなだけ写真が撮れますよってわけだ。
 技術的にはやろうと思えばいつでもできるので、そのうちなるかもしれない。

 そしたら海だってそうだ。月額制でいくらでも海水浴ができて、ロッカーも使える。叫んだっていいし、恋人と手を繋いでもいい。海を好きなだけエンジョイできる。
 月額会員じゃなければ、何をするかでいちいち料金を取られてしまう。

海に向かって叫ぶ 5千円
恋人と手を繋ぐ 2万円
ビーチバレーをする 10万円
砂浜に友達を埋める 30万円
ラジカセで湘南乃風を流す 50万円

 こんな感じに。ライフセーバーが常に見張っているので不正はできない。

 最終的には地球の自転が定額料金になるだろう。お金を払ったらいくらでも回るけれども、そうじゃなければ止まってしまう。そうなったら世界中が迷惑を被るので、あなたは会員にならざるを得ない。

 困ったものですね。

(おわり)

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