夏のサマー2016

夏の間だけ毎日更新されるブログです

スイーツって何でもかんでも抹茶味になってない?

 コンビニのデザートコーナーに行くとびっくりする。ほとんどのスイーツに抹茶味があるからだ。

 抹茶ティラミス、抹茶シュークリーム、抹茶どら焼き、抹茶アイス、抹茶エスプレッソ、抹茶オレ、抹茶カステラ、抹茶キャラメル、抹茶クッキー、抹茶ケーキ、抹茶たい焼き、抹茶チョコレート、抹茶大福、抹茶マカロン、抹茶メロンパン、抹茶ヨーグルト、抹茶ロールケーキ、抹茶ゼリー、抹茶ベーグル、抹茶ババロア、抹茶パフェ、抹茶プリン。

 いつの間にこんなに増えたのだろう。和洋かかわらず、甘ければなんでも抹茶と組み合わされてしまう。そういえば、キットカットの抹茶味は観光客に好評で、お土産として大量に買っていく人もいると聞いたことがある。
 このまま行くと、日常の至るところに抹茶が侵食していくのではないだろうか。甘いもの以外も抹茶になっていくのは時間の問題だろう。

 例えば、椅子。
 抹茶を固めて作られた深緑色のイス。芳醇な香りが常に漂い、リラクゼーション効果をもたらす。「何だか最近、体調が悪いな」と思ったらモグモグ食べて健康体に。友達を呼んでみんなで食べれば軽いパーティーにもなる。
 そのままお風呂にぶち込んでもOK。即席の抹茶風呂の出来上がり。全身を沈めてごくごくと飲んで、抹茶の成分を身体の隅々にまで浸透させよう。

 他で言えば、電気。
 抹茶と一緒に電気を送電することで、街が緑色の光に包まれる。目に優しいので眼精疲労の人が減り、夜景は光で森が浮かび上がっているかのようになり、よりムーディーな光景に。
 もちろん、蛍光灯をガツガツ食べてもOK。抹茶の味がする。アイスを乗せて食べて抹茶アイスになり、チョコを塗れば抹茶チョコレートになる。胃袋に自信がある人は、アクセントに普通の蛍光灯も噛み砕いてみよう。

 そして、いずれは抹茶人間が誕生するだろう。
 ある研究者が「こんなに抹茶が人気なら、抹茶人間になれば人気者になれるだろう」と思いつき、自分を被験体にして実験をする。
 自分の遺伝子に抹茶の遺伝子を配合し、合成する。そういうカプセルを作ってそこに入る。するとプシューという煙とともに、抹茶人間が誕生する。
 抹茶人間は全身緑で、肌がつるつる。アロマテラピー効果もある。しかし、その姿で街を出ると、モンスターと間違えられて追われる羽目に。
 警察の包囲網をかいくぐり、抹茶人間はフィアンセに会いに行く。もしかしたら殺されるかもしれない。その前に、愛する人に会いたい。
 その思いでフィアンセの家にたどり着いた抹茶人間に待っていたのは、フィアンセの悲鳴だった。あまりにも変わり果てた姿に、彼女は彼だとわからなかったのだ。
 泣き叫ぶ彼女の腕を掴み、抹茶人間は目を見つめる。その瞳の奥を見た彼女は抹茶人間が愛する彼だと気づ・・・かない。眼光も緑になっていたからだ。

 そうこうしているうちに警察がやってきて、抹茶人間にショットガンを向けて、引き金をひく。

 抹茶味ばっかり食べていると、こうなっちゃいますよ。

(おわり)

Twitterやっています
https://twitter.com/kossetsu

Facebookはこちら
https://www.facebook.com/kikuchi.ryo.14