夏のサマー2016

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東京オリンピックに向けて「漢字バブル」がやってくる!

 以前、iPhoneのカバーケースを海外サイトで買った。

 葛飾北斎富嶽三十六景をバックに、「自由」という文字。
 日本人にはない言葉のチョイスにセンス・オブ・ワンダーを感じたのだ。欧米の人からしてみたら、漢字は文字じゃなくて純粋なデザインらしい。
 僕らからしてみたら「極度乾燥しなさい」と書かれたバッグ(そういうのがあるのです)を見たら、意味を読み取ってギョッとしてしまう。だけど、彼らにとってはクールな点と線の集合体でしかない。

 漢字のタトゥーを彫ったり、漢字がデザインに取り入れられているファッションをしている欧米人はけっこう見かける。「漢字が好き」という非漢字圏の人は数千万人、ひょっとしたら数億人はいるんじゃないだろうか。そして、その数は東京オリンピックに向けてどんどん増えていくだろう。

 だったら、本場の漢字ファッションを輸出したら儲かるんじゃないだろうか?

 これだけ漢字需要がありながら、ちゃんとした漢字ファッションっていうのはあまりない気がする(本場は中国でしょう、というツッコミが入りそうだが)。
 漢字タトゥーも漢字Tシャツも「本場の人間が監修していますよ」というものは無い気がする。

 まず、新宿の路上にいる「筆で良い言葉を書く人」をスカウトし、アメリカに行ってもらう。ニューヨークのストリートで「本場の漢字Tシャツです」と銘打って売れば、そこそこ目立つんじゃないだろうか。
 もちろん「筆で良い言葉を書く人」の旅費はこちら持ちで、しばらくの生活費も出す。そのために「“筆で良い言葉を書く人”をニューヨークに行かせて路上で漢字Tシャツを売ります」という事業計画書を作り、銀行に融資してもらっておく。
 「本場」を付加価値にして1枚200ドルとかで売れば、すぐに返せるだろう。調べるとニューヨークの人口は840万人なのだそうだ。ということは、

200 × 840万 = 16億8000万

 ってことになるから、約16億ドルの売り上げは見込める。さらにTシャツは消耗品なのでシーズンごとに買うとすると、

16億8000万 × 4 = 67億2000万

 になる。日本円にすると約8300億円の売り上げだ。悪くないんじゃないだろうか?
 ここまで来ると「自分も漢字Tシャツを作って売りたい」と考えるティーン・エイジャーも増えてくるだろうから、その需要に応えて「漢字Tシャツ専門学校」を作ろう。そこを卒業した人だけに「漢字Tシャツ免許」を発行し、ライセンス料を年間で取れば何もしなくても莫大な収入が見込める。
 店舗も作って、フランチャイズにすれば、アメリカ全土に広がっていく。
 すると、高級ブランドの連中も目を付けてくるから、一緒にコラボしようってことになる。すかさずGUCCIやPRADAの「漢字アドバイザー」に就任だ。会議に出てゴニョゴニョ言うだけでたくさんお金がもらえる。「この漢字は画数が多いよね」とか言えばいい。

 そこまでやるとGoogleが買収してくるので、人生を何回やっても困らないほどのお金が入ってくる。

 一緒にやってくれる「筆で良い言葉を書く人」と、銀行員の方を募集します。こう言うのを「取らぬ狸の皮算用」と言うらしいけれど、何事もやってみなきゃわからない。

 近い将来、プライベートをパパラッチされたパリス・ヒルトンが、僕らの漢字Tシャツを着て映っている。そんな未来が見える。

(おわり)

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